「時間がない」を解決したい──暮らしを変える、グリーンビーンズの「新しい買い物体験」 

「時間がない」を解決したい──暮らしを変える、グリーンビーンズの「新しい買い物体験」 

2026/1/15

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この記事に登場している人

樽⽯ 将⼈

Masato Taruishi

イオンネクスト株式会社 技術責任者CTO
レッドハットおよびヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパンを経てグーグル日本法人に入社。システム基盤、『Googleマップ』のナビ機能、モバイル検索の開発・運用に従事。東日本大震災時には、安否情報を共有する『Googleパーソンファインダー』などを開発。 その後、楽天を経て2014年6月よりRettyにCTOとして参画。同社の上場の牽引後、22年1月に退職。22年3月より現職。

    この記事を読むとわかること

    ・時間貧困・高齢化・物価高騰が生む買い物課題
    ・都市部で深刻化する“買い物困難者”の実態
    ・「Green Beans(グリーンビーンズ)」が提供する新しい買い物体験
    ・会員60万人超の成長を支える事業基盤と戦略

    「時間を、もっと豊かに。」をビジョンに掲げ、イオンの次世代を担うイオンネクスト。同社が展開する「Green Beans(グリーンビーンズ)」は、日本の生活環境の変化に伴って生まれるさまざまな“暮らしの不便さ”に対し、革新的なアプローチで解決に挑んでいます。本記事では、グリーンビーンズが生まれた背景にある社会課題と、その解決に向けた取り組みについて、イオンネクストCTO・樽石将人が語ります。

    【目次】

    時間がない!現代の暮らしと“買い物”の課題

    現在の日本では、「暮らしの時間の制約」「高齢化の進行」「生活コストの上昇」といった環境の変化が重なり、日々の生活にさまざまな影響が生まれています。

    横浜市立大学の研究グループが行った調査によると、「時間が足りない」と感じている人ほど、睡眠時間や余暇時間が少ない傾向にあることが明らかになっています。また、時間が足りない状態にあることは、幸福感や心理的健康の低下、社会的孤立感、そして仕事への満足度の低下とも関係しているという結果も出ています。

    ※出典:横浜市立大学「働く世代が感じる『時間が足りない』感覚が幸福感、社会的孤立、仕事満足度に及ぼす影響」(2025年4月14日掲載)

    さらに、都市部では共働きで子育てをする世帯が増え、通勤や育児との両立で1日のスケジュールがタイトになり、「日常の買い物」に使える時間が確保しにくくなっています。特に子どもが生まれると生活の優先順位が変わり、家事・買い物の効率化が暮らし全体のテーマとなる傾向があります。

    ※出典:宮越瑶子(2018)『東京都市圏の時間制約の強い共働き子育て世帯の居住地満足度からみた都市整備の在り方に関する基礎研究』東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻修士論文.

    また、都心部は交通の便が良い一方で、大型のスーパーマーケットが少なく、日々の買い物環境が十分に整っていない地域もあります。こうした課題に対し、イオンは「まいばすけっと」を全国展開し、身近な場所で必要な商品が手に入りやすい環境づくりに取り組んできました。厳選した商品を、より身近な場所で手軽に買えるようにしたコンビニ型スーパーという形で出店を重ね、現在は全国で約1000店舗まで拡大しています。

    まいばすけっと

    「まいばすけっと」のような小型店は、「近くで必要なものが手軽に、しかもお手頃に手に入る」という都市生活者のニーズに応える形で展開されています。一方で、小型店では品揃えの豊富さが郊外の大型店ほどではないため、「もっと選ぶ楽しさを感じたい」というお客さまの声も寄せられていました。

    日常の買い物に出かけにくい場面が増えている現状

    高齢化の進行に伴い、「日常の買い物に出かけにくい場面が増える」という声も強まっています。

    農林水産省では、食料品店等まで500m以上離れ、かつ自動車の利用が困難な65歳以上の方を「食料品アクセス困難人口」と定義しています(行政定義として引用)(※)。この人数は2025年に全国で約600万人に達すると見込まれており、都市部でも“買い物がしづらい環境”が広がりつつあると指摘されています。

    ※出典:農林水産省「食品アクセス問題(買物困難者等)の現状について(2024年)」、総務省「統計からみた我が国の高齢者(2025年)」

    また、都心部では、車を使わない生活スタイルの方も多いため、重い荷物を持って歩くことや、駅の階段の上り下りが負担に感じられるといった声もあります。こうした背景から、日常の買い物をより安心・便利に行える環境整備の重要性が高まっています。

    さらに、食品や光熱費の値上がりにより家計の負担が増し、暮らしの快適さや、日常の選択肢が狭まりやすい状況への懸念も指摘されています。

    グリーンビーンズが目指す「暮らしのインフラ」

    グリーンビーンズは現代社会が抱える3つの社会課題に対して、ネットスーパーという枠を越え、「暮らしのインフラ」を構築することを目標にしています。

    2023年にサービスを開始して以降、日用品からオーガニック、輸入食品、医薬品まで3万点以上の品揃えを充実させているほか、朝7時から夜23時までの1時間単位で選べる高品質な配送サービス、AIが過去の購入履歴から自動で商品を提案し、買い物の手間を軽減する「スマートカート機能」、買い忘れ防止のために注文完了後に商品を追加・変更できる機能など、顧客中心のサービス設計を意識してきました。

    グリーンビーンズでは、「時間の創出」「鮮度と品質の向上」「経済的メリット」という3つの価値をもたらすと考えています。ネットスーパーでの購買体験により、買い物にかかる移動やレジ待ちなどの時間を大幅に削減し、より価値のある活動に充てる「時間の創出」につながります。

    「鮮度+」サービスの差別化要因

    ▲産地からお届けまで低温をキープする「コールドチェーン」を徹底。鮮度を守ってお届けしています。

    また、「お届けから1週間、新鮮なおいしさを保証する」というグリーンビーンズ独自の鮮度保証サービス「鮮度+(※1)」によって、計画的な買い物を可能にし、食品ロスを減らすことができます。

    ※1 注意事項:1週間鮮度保証の期間は、お届け日を含めた7日間(お届け日+6日)です/鮮度+商品の返金対象は、未開封状態で、冷蔵庫(野菜室、チルド室など)で保管していたものとなります/鮮度保証期限(商品ラベル参照)を超過した場合は返金対象外となります。https://service.greenbeans.com/media/feature/sendoplus/

    経済的メリットに関しても、品質と価格を両立させたイオンのPB「トップバリュ」の商品を展開することで物価高にも対応しつつ、ネットスーパーの利点である交通費の削減やまとめ買いの節約効果も提供しています。

    特にトップバリュ商品は、物価高騰で節約志向が高まる中でも、「低価格と高品質の両立」というブランドならではの価値が支持され続けています。イオンにおける、トップバリュ全体の売上高も2025年度上期に前年同期比11.7%増※2 と伸長し、なかでも価格訴求型の「ベストプライス」は13.9%増※3 と高い成長率を示しています。

    ※2 イオン株式会社「2026年2月期 第2四半期(中間期)決算」
    ※3 流通ニュース「イオン/トップバリュ上期売上高11.7%増の5907億円、ベストプライスは13.9%増」

    顧客中心のサービス設計と、その価値の証明

    会員数60万人突破から次の成長へ。イオンネクストが描く未来の事業基盤

    グリーンビーンズの配送エリア(2025年12月現在)

    都道府県

    エリア

    東京都

    23区、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、西東京市

    千葉県

    千葉市、市川市、船橋市、松戸市、野田市※、佐倉市、習志野市、柏市、市原市※、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ヶ谷市、浦安市、四街道市、印西市、白井市(※地域により配送エリア外となる場合がございます。)

    神奈川県

    横浜市、川崎市、相模原市(中央区、南区)、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市

    埼玉県

    さいたま市、川口市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、八潮市、富士見市、三郷市、吉川市、松伏町

    グリーンビーンズはサービス開始から2年で会員数70万人を突破し、現在は今後の急成長を見据えた事業基盤の拡大を進めています。直近でも、東京23区全域に加えて多摩地域、千葉県、神奈川県(横浜市・川崎市全域)、埼玉県の一部エリアまで配送エリアを広げており、より多くのお客さまにご利用いただけるサービスへと成長しています。

    配送を支える顧客フルフィルメントセンター(CFC)については、既存の誉田(千葉県)のほかにも2026年に八王子(東京都)、2027年には久喜(埼玉県)に新拠点を開設予定で、この3拠点体制で首都圏全域をカバーする計画を立てています。

    こうしたなか、今後の事業拡大においては「テクノロジーファーストの事業開発」が鍵となっています。グリーンビーンズでは独自の自社配送網とAIやテクノロジーを活用した配送・受け取りシステムを構築していて、サービスの利便性と高品質を徹底的に追求しています。

    イオンネクストが開発・運用しているシステムは約200ほどになりますが、自社のエンジニアは現在10名程度と少人数のため、すべてを内製化することは現実的ではありません。そのため、各種ソリューションを組み合わせながらシステムを開発しています。

    グリーンビーンズの配送拠点の様子

    その中核となるのが、英国Ocado(オカド)社が提供する「オカドスマートプラットフォーム」です。これは、食品ECに必要な注文受付から配送までを一気通貫で支えるソリューションで、全体のシステムのうち約1割がOcadoの稼働関連システムになっています。このOcado社の持つプラットフォームに、イオン独自のテクノロジーや商品知識、物流ノウハウを組み合わせた独自基盤が「イオンネクスト・プラットフォーム」です。

    テクノロジーを起点にイノベーションを起こし、冒頭に述べた社会課題を解決していくために、 イオンネクストでは自社開発と外部ソリューションの組み合わせによるシステム開発を行っています。

    将来的にはグループ内サービスとの連携も強化を図り、イオンの総合力を活かした「暮らしのインフラ」として昇華させることで顧客価値の最大化を目指していきます。

    記事の後半では、イオンネクストの未来を創るシニアPdMの役割や今後の成長戦略を共有したいと思います。


    イオンネクストではエンジニアを中心としたデジタル人材の採用を積極的に行っています。樽石と話をしてみたい、Green Beansの事業が気になる…といった方は、カジュアル面談も実施しておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

    【関連記事】

    AIが実現する“パーソナルコンビニ”の未来。イオンネクストの未来を創るシニアPdMの役割とミッション

    ※掲載している所属・役職・肩書きおよび各種情報は、記事公開時点のものです。

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