
この記事に登場している人
海塩 庸平
Yohei Ushio
イオンスマートテクノロジー株式会社 Developer Enablementディビジョン TechLeadユニット TechLeadチーム エンジニア
請負の開発会社などを経て、バックエンドエンジニアとして独立。約10年間フリーランスとして働いた後、事業会社へ入社し自治体向けサービスやECサイト立ち上げに携わる。2023年11月より現職。
この記事を読むとわかること
・“CTO室テックリード”って何をやっているの?
・会員規模700万人、入社して改めて感じたイオンの影響力とは?
・エンジニアからリスペクトされるようなエンジニアを目指して・・・海塩の仕事論
バックエンドエンジニアとして長年キャリアを積んできたイオンスマートテクノロジー(AST)の海塩庸平は、日々の仕事のなかでとある課題を感じるようになり、前職時代にはその解決に向けて新規サービスの立ち上げに携わるようになったといいます。そして、2023年11月からは、ASTで新たなチャレンジをスタートさせました。キャリアの幅を広げていこうとしたきっかけや考え、そしてエンジニアとして目指している将来像について、海塩に聞きました。
【目次】
長年の経験から感じていた課題を解決すべく、新規サービスの立ち上げへ
——海塩さんの現在の業務について教えてください。
海塩2023年11月に入社したばかりでまだ業務内容は固まっていませんが、既存業務を把握したうえで改善施策を進めていけるようになることを目指し、現在は会員認証基盤、店舗のデジタル化などに関わっているところです。
——海塩さんのこれまでのご経歴についてうかがえますか。
海塩高校卒業後に工場システムの開発会社に入社しましたが、工場の閉鎖に伴い当時の上司が立ち上げた会社へ移籍し、エンジニアとして働いていました。その後、フリーランスのバックエンドエンジニアとして独立。主にスタートアップやベンチャー企業からサービス開発の仕事を受託しており、約10年間で3〜4社のプロジェクトに関わってきました。
前職では、ふるさと納税のポータルサイトを運営するトラストバンクのCTO室に所属していました。当初はバックエンドエンジニアとして業務を行っていましたが、自治体向けのふるさと納税返礼品の配送関連システムやECサイトといった新規サービスの立ち上げに携わるようになっていきました。アーキテクチャの設計からコーディングまでを行ってシステムの土台をつくり、ほかのメンバーと共に細部を詰めて、ある程度軌道に乗ったところで次のサービスの立ち上げに移るといったイメージです。新規サービスの立ち上げの話があがった際には、自分から首を突っ込んでいくことが多かったですね。
——新規サービスの立ち上げに興味を持たれるようになったのは、どのようなお考えからなのでしょうか。
海塩バックエンドエンジニアとして長年経験を積んでいくなかで、技術的負債を抱えて不具合が生じていたり、追加開発に多くの時間を費やしてしまっていたりするケースに直面してきて、そうした課題を解決することに対する興味が強くなっていきました。
自動テストや設計方法など解決手段をいろいろと調べていくうちに、立ち上げ時にアーキテクチャをしっかりと考えてシステム構築することが重要だという考えに至り、機会があれば自ら立ち上げを経験してみるしかないと思うようになったんです。

——イオンへ入社されようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
海塩テックリードポジションで複数社を検討しました。ECや倉庫物流など業種は様々です。その頃ASTの公募も目に留まりました。前職で一緒に働いていた現AST・CTOの山﨑、SREチームリーダーの香西が在籍しているので、コンタクトをとって情報を頂きました。2人とは前職時代にも良い関係性を築きながらさまざまなチャレンジをしてきており、またいつか一緒に仕事ができればと思っていました。
また、これからITの領域においてさらに成長していこうとしているイオンという大きなフィールドで自分の知見を活かしつつ、社会的なインパクトを与えられる仕事がしたいという思いもあり、入社を決めました。
700万弱の会員規模だからこそのインパクト、そしてイオングループだからできる大きな挑戦がある
──入社間もないとは思いますが、どういったところにやりがいや面白みを感じますか?
海塩やはりイオングループは大規模な組織であり、何をやるにしても社会的なインパクトが大きく、ものづくりのやりがいを感じられる点にあると思います。こうした話はASTの入社前に山﨑や香西からも聞いており、印象に残っています。
——インパクトの大きさを感じた具体的なエピソードなどはありますでしょうか?。
海塩今、私はイオングループの会員認証基盤の開発に携わっているのですが、会員認証基盤はグループ各社の多様なECやアプリに展開しており、何らかの障害が起こった場合には、グループ会社を巻き込んで数十〜数百万単位のユーザーに影響を及ぼしてしまうおそれがあります。
たとえば、iAEONアプリでは会員認証基盤を通して700万弱のユーザーを管理しています。会員認証基盤に障害が発生してしまうとiAEONアプリが利用できなくなり、レジでの支払いにアプリを用いられている方は会計ができなくなってしまうなどの問題が起きます。
裏を返せば、ポジティブな影響のインパクトや波及効果も大きく、多くのユーザーの生活に身近なプロダクトに関われているともいえます。
また、組織規模や案件の規模が大きいため、何をやるにしてもさまざまな会社が協力的であることは、イオングループの特徴です。規模が小さいと相手にしてもらえないような大手企業が、我々の話に耳を傾けてくれるケースは実際に多くあります。このように、普通の会社ではやれないようなことにまで挑戦できる環境があります。
現在、イオンではグループ会社が各自で運営しているネットスーパーをイオングループのECとして統一するといった構想があります。実現するにはビジネス戦略やコンセプトなどの面で課題が多くあり、道のりは長いですが、インパクトは非常に大きいと思いますね。

——一方で、IT組織としてはまだ改革が始まったばかりだと思います。海塩さんとしては現状をどのように見られていますか。
海塩ASTの開発現場には、ベンチャーを思わせるような少人数のプロダクトチームもあります。イオングループのITはまだまだこれからなので、今から参画して成果を出すことができれば、非常に大きなリターンが得られる状況といえます。
現在は、業務委託の方や外部ベンダーに開発を任せている部分も多く、ASTとして主体的に開発できているとはいえません。私が関わっている会員認証基盤と店舗デジタルは、どちらも現状で外部ベンダーが9割以上を占めています。
今後自社内で開発を回せる体制にシフトしていけば、それだけでASTのエンジニアとして一気に役割が増えることになります。こうした流れのなかでは、やる気さえあればすぐにやりたいことに参加して成果を出すチャンスが得られるでしょう。私自身はテックリードという立場ですが、通常のエンジニアであれば即戦力としてすぐにアクティブに動ける環境にあります。
——内製化はどのように進められていきますか。
海塩単純にベンダーに任せているものを社内に移行すればよいというわけにはいきません。現状では、十分なリソースもノウハウも社内にはありません。まずは仲間を増やして現状を把握し、内製化を進めるにはどのようなステップを踏めばよいのか、一から考えて体制を構築していく必要があります。
——何をとっかかりにすれば、こうした状況は改善されていくのでしょうか。
海塩自社内で実際に手を動かす経験をしてみるのが、はじめのステップだと思っています。いきなりすべてをカバーすることはできないので、まずはこれまでベンダーに依頼していた一部の案件を自分たちで開発してみて、ブラックボックスになっていた部分を知り、意識を変えていくためのスタートラインに立つということが何より大切です。
——小売業界でエンジニアとして働くということに対して、イメージが湧きづらい方もいるように思います。
海塩ECに強いエンジニアの方にとっては特に、ASTでは活躍の場が多くあると感じています。小売業界全体としては、ECにシフトしきれておらず、ECの強化という面においてはまだまだ課題は多く残されています。小売というとPOSレジなど店舗システムのイメージが強いかもしれませんが、とりわけASTはECをはじめWeb系の仕事がメインとなるので、EC関連の仕事をしたことがある方であれば、知見を活かしながら違和感なく働けると思います。現在ASTが開発を進める「iAEON」はtoC向けのアプリですし、小売という業態にとらわれずにアイデアを反映させられる部分は多くあるのではないでしょうか。
CTO室という特殊な立ち位置だからこそ、エンジニアからリスペクトしてもらえる人を目指したい
——最後に、海塩さんの今後の展望をお聞かせください。
海塩エンジニアからリスペクトをしてもらえるような人間になりたいと思っています。
前職で、アーキテクチャを設計し、システムを一から立ち上げ、ほかのエンジニアに任せていくという仕事を進めるなかで、どういうことを自分が実現したいと考えているのか相手に的確に伝え、そこに向けて一緒に取り組む必要性を納得してもらうことの大切さを痛感しました。「つくったからあとはお願いね」では、納得してもらえませんし、やってもらえません。エンジニアからリスペクトしてもらうためには、高いコミュニケーション能力が求められます。
特に今の私のポジションであるCTO室やテックリードは、プロダクトに携わっているチームからすると少し遠い存在になってしまいがちです。ただ、CTO室やテックリードだからといって、上下関係があるとは思っていません。その壁をなくすために、コミュニケーションの取り方や動き方などは工夫していきたいですね。皆がハッピーに開発できる関係性を構築していきたいと考えています。

——現状で工夫されていることはありますか。
海塩たとえば、積極的に資料やコードのレビューなどに関与するようにしています。これにより、リリース判定会議で上層部から指摘を受け、手戻りが発生してしまう状況を防いでいます。レビューのタイミングを開発側から自発的に設けてもらえるようにもなってきました。
——徐々に改善してきているんですね。
海塩一方で、エンジニアからリスペクトをしてもらうためには、どんなエンジニアにでも納得してもらえるようなエンジニアリング力が伴っている必要もあります。「エンジニアリング関係で困ったらこの人に相談すれば解決できる」と思われるようになることが理想です。そしてエンジニアリング力を身につけるためには、まずは自分で手を動かしてみて、いろいろなものをつくってみることがやはり何よりも大切だと考えています。
いずれも非常に難しいことですが、ASTの環境を活かしてこれからチャレンジしていきたいですね。
——ありがとうございました!
イオンスマートテクノロジーでは、CTO室テックリードとして内製化にむけた取り組みを一緒に推進してくれる方を募集中です。カジュアル面談も実施しておりますので、少しでも気になった方はお気軽にご連絡ください。まずはざっくばらんにお話しましょう。
※掲載している所属・役職・肩書きおよび各種情報は、記事公開時点のものです。
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