チームについて
イオンスマートテクノロジー株式会社データソリューションディビジョンのinsiXコンサルティングチームは、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とMA(マーケティングオートメーション)の機能を備えたCDP(カスタマーデータプラットフォーム)「insiX」の開発・運営を担い、顧客分析や販促活動を支援するプロダクトとして、イオングループ各社に展開しています。
「いつ・誰が・どこで・何を買ったか」という購買データから顧客解像度を高め、事業会社一社一社に伴走しながら、最適な施策の立案・実行・効果検証までを通じて売上拡大に貢献することがミッションです。
特にCDPの本質である「データを統合して顧客理解を深める」という視点を重視しながら取り組んでいます。
私たちのチームは、コンサルタント単独で完結するのではなく、データアナリストチームと双方向に連携しながら事業会社の支援を組み立てていくのが大きな特徴です。
コンサルタントが事業会社の課題・ニーズをヒアリングして仮説を立て、アナリストがデータを抽出・分析して示唆を返す——それだけでなく、アナリスト側から「このデータを組み合わせるとこんなインサイトが出る」と自発的に示唆が上がれば、コンサルタントがそれを事業会社向けの打ち手として磨き上げます。こうした一気通貫の連携を通じて、事業会社の売上拡大を下支えしつつ、LTV向上を目指していくのが、私たちの立ち位置です。

チームで目指しているビジョン
insiXを活用しているグループ会社で、2025年度は約58億円の売上貢献を達成しました。中長期的には、グループ全体へ展開することで、事業への貢献をさらに高めていきます。
理想は一人ひとりに最適な情報を届けることですが、本当の意味での個別最適化を実現するには、膨大なパターンを人力で回すのは不可能だと考えています。
そこで重要になるのがAI活用です。
率直に言えば、現在のinsiXのAI活用はまだ「レベル1〜2」の段階です。毎回1,000人単位のターゲットを抽出し、クーポンや通知を設計・配信し、PDCAを手動で回しています。この方法では、1ヶ月に1〜2回キャンペーンを回すだけでもヘトヘトになってしまうほどで、カバーできる顧客の範囲は限られます。
これをAIで自動化できれば、打ち方は「スナイパーのような狙い撃ち」から「機関銃のような連射」へ切り替わります。1,000人規模のターゲットを10セグメント並列で回せば1万人——これを積み重ねればマスマーケティングでカバーする顧客レンジと変わらない規模を、一人ひとりに最適化された状態でカバーできるようになります。
私たちが本来目指しているのは、顧客を自動で識別し、関連商品を自動で推薦し、最適なタイミングで自動でアプローチをかけ、効果が出たら自動で分析して自動で修正まで行う──こうした一連のループが回る、本物のAI活用です。AIによって、お客さま一人ひとりに最適化された情報を自動で出し分けたり、適切なタイミングで表示したりすることが、今後の重要なポイントになります。
現在はChatGPTのような直感的なインターフェースに、Databricks上のデータセットを連携させて、生成AIにより分析や集計ができる環境を構築中です。最終的には事業会社に提供し、イオングループ全体で誰でも簡単に活用できることを目指しています。
チームの仕事と業務内容
事業会社でのinsiX活用を推進するための施策の提案や結果の振り返り、次回施策のためのPDCAに取り組んでいます。また、insiXは内製開発のため、機能追加のための要件定義といったPdM的な役割も担っています。
また、今後のAI活用に向けては、最先端の技術を実際の業務プロセスに組み込むため、現場のメンバーとともにPDCAを回しながら検証を行っています。
チームの特徴と役割
現在は7名のコンサルタントが在籍していて、チームの構成は男性が7割、女性が3割で、平均年齢は35歳前後です。
メンバーのバックグラウンドはさまざまで、小売やマーケティング企業出身の人やグループ内の事業会社から出向して参画している人もいます。
コンサルタントは事業会社ごとに担当を持ち、CDPを活用した企画・施策の提案から、施策実行・結果の振り返りまでを一貫して伴走するのが基本スタンスです。
直近の課題
M&Aでグループ入りした事業会社のシステムが統一されていないため、データを一元的に活用できる会社とそうでないところが混在しているのが現状です。この課題をクリアしていかなければ、insiXを導入する企業の拡大は難しいと考えています。insiXを使った高度な分析・施策展開を始める前提として、まずデータ統合・基盤整備を一緒にクリアしていく必要があり、ここが導入企業の拡大スピードを左右する大きな要素になっています。
また、個々の顧客にアプローチし、LTVを高めるために、顧客解像度の向上やOne to Oneマーケティングの価値を事業会社に正しく伝えることも大事です。全員に一律のポイント倍付けや値引きを行うマス施策は、見た目の売上インパクトが大きく「分かりやすい」一方で、セグメント配信は規模が小さく見えがちです。しかしセグメントを積み重ねることでLTVや顧客体験に効いてくる——この価値を翻訳して伝えることも、コンサルタントの重要な仕事です。
主要プロジェクトで達成した成果
私たちのチームでは、マス向けの大きな施策ではなく、細かなセグメント単位での施策を実施しています。例えば、月間購入金額や来店頻度によるセグメントで施策対象を絞り込んだり、過去の購買行動から離反予測モデルによって該当顧客にアプローチするなどの取り組みです。
短期的な成果だけではない、継続的な取り組みの意義を理解いただいた事業会社では、実施する施策数が増えたことで、結果として売上への貢献額も大きくなるという結果が出ています。
また、施策をあまり実施していない事業会社と比べると、「客単価向上」や「来店頻度の増加」、「現在来店されているお客さまのチャーンレート(離脱率)の大幅な低下」といった明確な成果が現れました。
新メンバーに求めるスタンス
insiXによる分析結果を踏まえ、「どのような施策を打つことで、どのような成果が期待できるか」という方向性を示すことがマストです。同時に、自分たちの意見を一方的に押し付けるのでも、相手の言い分を聞くだけでもなく、お互いのニーズを有機的に結びつけ、「納得のいく結論に導くバランス感覚」がコンサルタントには不可欠だと考えています。
また、チーム内ではコンサルタントが事業会社のニーズや課題をヒアリングして仮説を立て、それに対してデータアナリストがデータを抽出・分析し、一緒に提案を作り上げていく連携プロセスをとっています。
一方で、データアナリストに求めるスタンスはコンサルタントとは少し異なります。事業会社の要望に寄り添いすぎるのではなく、純粋にデータと向き合い、「仮説検証を楽しめる人」を歓迎します。自発的にデータを動かし、「このデータを組み合わせたらこんなインサイトが出た」とフラットに提案できるような方を求めています。
チームのカルチャー
チームの働き方
ハイブリッドワーク中心の働き方を実践しています。毎日実施している夕会では、日々困っていることの共有や事務連絡など、各メンバーがそれぞれ話題を持ち寄り、コンサルタントとデータアナリストで広く意見交換や情報交換をする場を設けています。
毎週月曜に実施しているチーム内でのナレッジ共有MTGは、リモートではなく対面で実施しています。

チームのメンバーは事業会社別の担当制のため、自分が抱えている課題や悩みについての解決方法を共有する機会がほとんどありません。だからこそ対面で集まり、情報共有することには大きな意義があると感じています。
大切にしている価値観
CDPを活用した具体的な企画・施策の提案からデータ活用方法のレクチャー、施策実施後の効果検証など、コンサルタントが事業会社ごとに向き合いながら伴走型支援をしていくのを大切にしています。
また、イオングループは、売上構成比で見ると店舗のお客さまが圧倒的に多いからこそ、「顧客理解を深める」ことを意識しています。ECであればすべてのデータが繋がっているため、顧客の行動履歴を明確に追うことができますが、店舗の場合はデータが綺麗に統合されていないため、顧客の生活属性をしっかりと把握することが、施策効果の最大化につながります。
成長支援とチームの交流
メンバーのITスキル向上を積極的に支援しており、例えばDatabricksがアメリカで開催するワークショップへの参加費用を部署でサポートするなど、学びへの投資を惜しみません。また、業務外のコミュニケーションとして、イオンスマートテクノロジー(AST) 全体で毎月「誕生日会」を開催し、同じ生まれ月の人が集まるなど、部署の垣根を越えたメンバー同士の交流も活発に行われています。
ディビジョン ディレクターからのメッセージ
私自身も前職はコンサルタントでしたが、一般的なコンサルティングファームの場合、さまざまな業界の会社を転々と担当することになり、時には長期の出張が発生するなど、落ち着かない環境になりがちです。一方、私たちのチームは「小売業(B2C)」に特化し、腰を据えて事業に向き合える環境があります。
しかも、イオングループが保有する、オンラインとリアル店舗が融合した膨大な顧客データは東アジアトップクラス。オンライン専業企業が「喉から手が出るほど欲しい」ものです。ただ、社内にはまだこのデータを完全に活かしきれていないという課題があります。だからこそ、プロの視点で膨大なデータからインサイトを見つけ出し、事業に直接インパクトを与えられる環境は、最高にエキサイティングと言えるでしょう。
また、生成AIの発達により、データを抽出・分析するハードルは劇的に下がっています。だからこそ、「自分はビジネス戦略(資料)しか作らない。データ抽出はアナリストに任せる」という従来型のコンサルタントは通用しなくなると考えています。ITとビジネスの両方の素養を持ち、自ら進んでAIなどの新しいテクノロジーを使いこなし、業務要件に落とし込んでいけるような「勇敢にAIに挑戦するコンサルタント」を求めています。(データソリューションディビジョン ディレクター 瀋 国雄)
働く環境
技術スタック / 業務ツール
データ基盤や分析・可視化のための技術スタックとして、現在はMicrosoft Azure 、Databricks、Snowflake、SQL Server、Power BIなどを活用しています。また、CDPであるinsiXは内製で開発しており、分析から配信までを一気通貫で行える仕組みを構築しています。今後はDatabricks上で機械学習モデルやアルゴリズムを動かすなど、新しい技術を積極的に取り入れていく予定です。

これからのチャレンジとやりがい
今後はAI活用を積極的に進め、顧客の生活属性ごとにセグメントから関連商品のレコメンド、最適なタイミングでのアプローチを自動化し、さらに効果検証や改善までAIがカバーできる体制を目指していきたいと考えています。
マス向けの施策と比較すると、顧客のニーズを深く理解した上で、その人が本当に欲しい商品をレコメンドすることで、購買確率やチャーンレートに明確な差が生まれます。最終的には、これまで手動運用で実証してきた成果をAIによってさらにスケールアップさせることが目標です。
イオングループが持つオンラインとリアル店舗が融合した日本最大級の膨大なファーストパーティーデータを活用しながら、「ゼロからAI活用の仕組みを自ら作れる」という変革の真っ只中に身を置けることは、このチームならではの大きなやりがいだと感じています。
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