ユニットについて

イオンスマートテクノロジー株式会社 Developer Enablementディビジョン QAユニットはiAEONアプリをはじめ、各プロダクトの開発チームと横断的に関わりながら品質向上を担っています。

​​最近は外部ベンダーに頼るだけでなく、QA担当者が要件定義の段階からレビューに参加し、上流工程で品質を高める動きが広がっています。そのため、当社でも持続可能に品質を管理していく体制を構築するため、開発プロセスの上流工程からQAユニットが入り、QA(品質保証)とQC(品質管理)の両方にコミットしています。

QAユニットの方針

QA/QC領域の積極的なAI活用

業務効率化を図るため、QAでは要件定義やテスト計画をAIに事前生成させ、さらにテストコードもAntigravityなどを使って簡単に作成し、テストカバレッジの向上に取り組んでいます。

QCではCopilotを使い、SharePointに置いた要件定義書やプロジェクト計画書などをAIにチェックさせ、テンプレートとの比較で抜け漏れや齟齬がないかを判定させる仕組みを構築しています。

こうした取り組みによって、ユニット全体の底力を上げ、より高品質なプロダクトを実現できると考えています。

私たちの仕事

主な業務内容

各プロダクト内のインプロセスQA
外部ベンダーと連携しながらテスト計画を立て、どのようなテストを実施すべきかを整理・合意のうえで進行管理しています。また、結合テスト以降で発生した不具合を分析し、再発防止のための改善策を検討するなど、品質向上の取り組みも担当しています。

AEON Smart Technology(AST)で運営している大規模基盤システム
ASTで運営している大規模基盤システムの品質改善を担っています。現在は、エンジニアが活用しているAI技術をどう品質向上に結びつけるかをヒアリングし、より効果的な改善策を検討するミッションを背負っています。エンジニアと関わるメンバーは、アーキテクチャ移行プロジェクトでもテスト計画の策定や実施方針のプランニングなど、テスト全体を統括しています。

業務サイクル

iAEONアプリを除く他のシステムでは、基本的に半年ごとのアップデートサイクルで運用しています。リリースは2ヶ月に一度の頻度で行っていますが、要件定義の開始から実際のリリースまでを含めたプロジェクトの期間は6ヶ月程度かかっています。

現状、QAユニットは2ヶ月ごとのリリースに合わせ、短期間でテストを集中させる必要があり、常に追いかける形での対応となっています。理想は、半年の開発サイクル全体を通じ、上流工程から品質管理を徹底する体系的なQA活動を実現することです。

最近の取り組み・成果

直近の課題:品質劣化を防ぐテスト手法の仕組みに注力

これまでQAユニットが十分に機能していなかったため、全社的にも品質が良くないという共通認識がありました。最近では機能障害もかなり減少しましたが、管理不足やサーバー負荷の増大による非機能要件周りの課題が残っています。機能テストは作ったものを確認すれば何とかなりますが、今後はインフラを含めたプロダクト全体の品質をさらに向上させる必要性を感じています。

そういう意味でも、私たちが品質劣化を防ぐテスト手法の仕組みをつくり、開発チームと協働できる体制を整えていきたいと考えています。

また、内製開発の体制は徐々に整いつつありますが、完全に自社でコントロールできる段階には至っていません。その背景には過去の技術的負債やアーキテクチャの課題、人員・時間の不足、固定化したプロセスといったさまざまな要因があると考えています。これらを解消していくことが今後の重要なテーマだと捉えています。

直近の成果:MagicPodを活用した自動化プロセスの定着に貢献

2024年からテスト自動化に取り組み始めましたが、当初は手動でのリグレッションテストに多くの人員とコストが割かれており、リリースのたびに深夜対応も発生するなど、非効率な状況が続いていました。そのため、工数削減と品質維持を両立するために、自動化の導入を本格的に進める決断をしました。

現在では、社内でもテスト自動化が広く浸透しつつあります。特にMagicPodを活用した自動化プロセスが定着してきたことで、「テスト自動化のことならQAユニットに相談すればいい」と認知されるようになり、QAユニットの存在意義や社内での立ち位置が明確になったことは大きな成果と言えます。

フルバージョンのリグレッションテストを1回実施する場合、約20人日の工数が必要でしたが、MagicPodを活用して自動化を進めた結果、約5人日で完了できるようになりました。この自動化の仕組みは他の領域にも波及していて、例えば会員基盤チームでは、ログイン可否を常時確認する外形監視を自動化し、リリースごとの品質確認や稼働監視の精度が飛躍的に向上しました。

スキル育成と人材確保の両立による課題解消

毎回のリリースごとに膨大なテスト工数が発生し、外部委託費も積み重なる状況に対して、非効率で持続的ではないという課題意識がありました。さらに、テスト実施のたびに人員を増減する必要があり、新規テスターの教育やテスト環境の整備に多くのオーバーヘッドが発生していたのです。

そんななか、AutifyやMagicPodといった有力なテスト自動化ツールの他社事例や文献を参考にしながら、課題解決のためにテスト自動化の検討を進めました。加えて、社内のテスターに対してもMagicPodのスキルを習得してもらい、実際にシナリオ設計・構築までを担ってもらうことで、スキル育成と人材確保の両立を図ることができました。

これからのチャレンジ

QCにおけるゲートチェックの自動化

これまで人手で行っていた一次チェックを、GeminiやCopilotなどで独自にカスタマイズしたゲートチェック用AIエージェントをチームに配布し、各メンバーが自律的にチェックを実施。その結果を提出する運用方法への移行に取り組んでいます。

AIによるテスト計画・テスト項目作成の自動化

現状のテスト設計では、担当者の経験や勘に大きく依存していますが、AIを活用することでこのプロセスを標準化・効率化し、テスト品質の安定化を目指しています。

さらに中期的な目標として、QAユニットが品質保証の枠を超えて、ビジネスサイドと連携しながら非機能要件の設計まで踏み込んでいきたいと考えています。AIをどこまで活用し、どれだけ品質向上に貢献できるかが今後の大きなテーマになるでしょう。

QAユニットの特徴・文化

大切にしている価値観

多様性を尊重する組織
組織としては、同じ考え方に統一するというよりも、多様な視点や文化を大切にしています。メンバーそれぞれが異なるバックグラウンドを持っているからこそ、多様性を尊重しながら、建設的なコミュニケーションを心がけています。

また、CTOの山﨑が掲げるビジョンや方針を組織の軸として共有しつつ、QAの専門家としての視点から、必要であれば意見を述べていくスタンスを取っています。

組織運営のあり方としても、トップダウンとボトムアップの両輪が重要だと考えていて、全社で意思決定すべき部分はトップダウンで進めつつも、現場の専門家として自律的に提案できるボトムアップの仕組みを機能させることが求められています。

コミュニケーションについて

メンバー紹介

CTO室QAチーム

正社員は5名体制で、年齢層は40代〜60代。開発やテストベンダーと連携した品質改善を担当するメンバーや、開発チームの品質改善、脆弱性診断に関わるメンバーが働いているほか、プロセス改善を得意とするメンバーや、QCに強みを持つPMOサポートメンバーが在籍しています。

マネージャー・白江 大輔

経験豊富なベテランメンバーも多く在籍しているため、マネージャーから細かく指示を出すというよりは、それぞれの主体性を尊重しつつ、いつでも相談できる環境を意識しています。現状では品質改善の余地がまだ残っていると認識していますが、各メンバーが自分の視点で見えている課題や改善の方向性を大切にしながら、自発的に行動してもらうことを重視しています(マネージャー・白江 大輔)

働く環境

使用ツール・技術

使用ツール

会社として全社員に有料版のCopilotライセンスを提供しており、業務効率化や開発支援に積極的に利用しています。一部のメンバーでは、Geminiなど他のAIも契約し、生成AIの比較検証や高度なコード生成にも取り組んでいます。

また、AntigravityやGoogle AI Studioといった開発支援ツールも併用し、生産性向上を図っています。ナレッジ共有やプロジェクト管理にはConfluenceやJiraを採用し、情報連携をスムーズに行える環境を整えています。

メンバー

紺野 千鶴

Chizuru Konno

イオンスマートテクノロジー株式会社 Developer Enablementディビジョン QAユニット QAチーム
ex-株式会社ベリサーブ
資格:JSTQB FL/JCSQE/IVEC/認定スクラムマスター

新卒で大手ハウスメーカーに入社し、住宅部門の営業事務として社会人デビュー。その後、QAエンジニアとしてコニカミノルタ、富士ゼロックス(現:富士フイルムビジネスイノベーション)、RICOHのQA業務に携わる。QAについて一から学び直すため、第三者検証の株式会社ベリサーブに転職し、複数のプロジェクトでのテストプロセスでのQA活動、品質改善活動、社内研修講師を担当。2024年11月より現職。QA歴19年目。

白江 大輔

Daisuke Shirae

イオンスマートテクノロジー株式会社 Developer Enablementディビジョン QAユニット QAチーム マネージャー
90年代初頭より大手家電メーカーでSESエンジニアとしてキャリアをスタート。組み込み開発やテストマネジメントを経て、30代でQAの世界へ転身。携帯電話向けブラウザの大規模プロジェクトで品質保証責任者を務める。その後、ベンチャー企業でのPoC、SIerでのプロジェクトマネジメント、第三者検証会社でのQAコンサルなど、幅広い経験を積む。2023年に外部ベンダーのテスト管理者としてASTに参画し、2024年5月より正社員。QAの責任者として、全社的な品質向上に取り組んでいる。

西原 智仁

Toshimasa Nishihara

イオンスマートテクノロジー株式会社 Developer Enablementディビジョン QAユニット QAチーム
1996年に新卒としてキャリアをスタート。複数のシステム開発プロジェクトを通じて、ソフトウェア品質保証の基礎を身につける。その後、組み込み機器向けソフトウェアを手がけるIT企業にて、組み込みブラウザの品質保証業務に従事。次に、国内最大級のインターネットサービス企業で、システム開発の進行管理や社内向けバックオフィスツールの開発を経験する。2015年には、クラウド型業務支援サービスを提供するSaaS企業へ入社し、一人目のQAエンジニアとして品質基盤の立ち上げを担当。2025年6月より、イオンスマートテクノロジー株式会社に入社。

    ※掲載している所属・役職・肩書きおよび各種情報は、公開時点のものです。

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