組織について
チーム構成は自社メンバーが8名、外部パートナーが10名となっていて、その内約半数が内製開発エンジニア、残り半数がPMやQA担当となっています。年齢構成的には30代〜60代までの幅広い年齢層のメンバーが働いています。

シニアマネージャー 柏谷 隆志より
チーム全般を見ていますが、経歴としてはプログラマーとして4年ほどの実務を経験した後、プロジェクトリーダーやPM、直近の15年ほどは開発部の部長(VPoE寄り)といった管理職を長く務めてきました。
なので、自分自身でコーディングできるわけではありませんが、広く浅くITの知見があり、さらには業界の経験も長いので、システムや若手エンジニアが悩むことに対する審美眼は、ある程度持ち合わせていると思っています。
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チームの特徴と役割
フロント側のWebシステムやスマホアプリのサービスをバックエンドから支える役割というところもあって、一人ひとりのパーソナリティ的にも真面目で、着実に物事を進めていくタイプのメンバーが多くなっています。
チームの位置付けとしては、イオングループの公式アプリ「iAEON」を始めとしたイオングループ内のtoCサービスの会員情報を一手に引き受けているほか、お客さまがそのサービスにログインするための認証および認可の機能も提供しているため、会員基盤チームなしではグループのサービスが全て立ち行かなくなるという重要な役割を担っています。
チームのミッションと目指す姿
メンバー中心で回る自律的な組織を目指す
人に言われて作ったプロダクトと自ら悩み試行錯誤し作ったプロダクトであれば、自ずと後者の方がプロダクトへの愛着も湧くはず。そう考え、与えられたことを単にこなすのではなく、メンバーの一人ひとりが主体的にプロダクトに関わり、管理職が指図をしなくても機能するようにしていければと考えています。
また、人によってそれぞれ専門性や得意領域を持って取り組んでいるので、それ以外の庶務的な作業や雑務の部分は、管理職やマネージャーが引き受けて、メンバーが眼の前の業務に集中できる環境作りを目指しています。
2000万ユーザーの信頼を預かる重要な役割
iAEONに登録している2000万近いユーザーの個人情報を預かっているため、事業へのインパクトは相当大きなものだと捉えています。
売上には直接的には関わっていないものの、グループ各社のECサイトやスマホアプリなどの会員基盤も本チームが担っているので、間接的に事業成長へ貢献しており、責任感を実感しながら日々業務に取り組んでいます。
会員基盤チームでは、バックエンドだけではなくて、フロントエンドの「iAEON WEB」という会員向けマイページも開発しています。UI/UX部分はビジネスサイドやクリエイティブチームが最終決定しますが、会員基盤チームからも技術的な観点での提案はもちろん、UI/UX部分も自分ごととして捉え、提案やアドバイスを入れながら、自由闊達なコミュニケーションを図っています。
「誰もが使いやすいサービス体験」を作る
中長期の視点で目指しているのは、「誰もが使いやすいサービス体験」を作ることです。
会員基盤はお客さまがログインするための認証・認可が必要ですが、シニア層のお客さまも多く、IDとパスワードを覚えていなかったり、スマホの使い方がわからないといった課題があります。そのため、セキュリティを高めるための「SMSによる二段階認証」も困難という方がたくさんいらっしゃいます。
我々が目指したいのは、“認証を必要としない世界”です。現時点ではまだ夢のような話ではありますが、お客さま自身で、必要な時に立ち上げたらログインされている状態を作り、何も考えずにサービスが使えるようにできたらと思っています。
指紋認証や生体認証といったパスキーも主流になっていますが、イオンのユーザー属性においてはそれらもハードルが高いと考えています。現状では、パスキーに変わる認証・認可の仕組みを用意できないかと模索している段階です。
チーム体制について

会員基盤チームは「ID統合チーム」と「開発チーム」の2つに大きく分かれていて、それぞれのチームで日常的なコア業務は異なっています。
前者のID統合チームでは、グループ各社が独自で運営しているサービスの会員IDをiAEON IDに統合していくためのプロジェクトを推進しています。具体的には各事業会社の事業担当やサービス開発ベンダーと定期的にミーティングを実施して、iAEON IDの導入支援を行っています。
後者の開発チームでは、認証・認可と会員情報を登録・管理するためのAPI開発をメインに担当していますが、認証・認可部分においては私たちは世界標準の規格であるOpen ID Connect(OIDC)を採用しており、その仕様に準拠した開発を行っています。
また、事業会社やユーザー、さらには社内から寄せられる「こういう機能を追加できないか」といった要望や相談にも応えつつ、日常的にエンハンス開発も進めています。
チームの取り組み・直近と今後のプロジェクトについて
仕事の取り組み方と課題
リリースサイクルと現状の課題
会員基盤チームの業務サイクルは基本的にマンスリーを目安に定めていて、月に1回の定期リリースがあります。月一のリリースをするために、最低でも3か月前には単体テストや脆弱性診断、性能試験といった開発に着手しています。
ただ、2024年から本格的にこの組織が動き始めたのもあり、積み残しの業務を多くこなさなければならず、先々を見据えた計画的なスケジュールを立てる段階に行き着いていないのが直近の課題となっています。
新決済サービスへの対応(2025年6月)
2025年6月末にAEON Payのコード決済とWAONのタッチ決済が統合された新決済サービスがリリースされました。その際に会員基盤の性能を4倍にまで引き上げるという高い要件が提示され、短期間での対応が求められました。
そこで、アプリケーションの改修やサーバー設定の最適化など、インフラ面も含めた高度なチューニングを実施。ベンダーとのリソース調整やSRE・テックリードとの連携を図りつつ、約1か月半にわたり、集中的に取り組みました。
効率的に議論できないときは都度オンラインで集まり、試行錯誤を繰り返しながら問題の特定と改善を進めました。
直近の成功事例
Copilot活用による性能改善のブレイクスルー
ブレイクスルーになったのは、マイクロソフトの方から「Copilotにコードを投げると、驚くほどしっかりと指摘してくれる」という助言をいただいたことでした。
そこから、テックリードの方に協力いただき、CopilotやGitHub Copilotといった生成AIツールをローカル環境に構築し、質問を投げてみると的確に改善すべきポイントを提示してくれたことで着実に改善を進めることができました。
RPSの大幅改善(性能指標の向上)
前述の改善を経て、新決済サービスの開始に合わせて、会員基盤の性能指標の一つであるRPS(Requests Per Second)を改善しました。
改善前は最大で1秒間あたり数千リクエストが限界で、それ以上になると性能が低下していました。今回の性能改善の結果、この上限を万単位のリクエストまで引き上げることができ、大きな成果につながりました。
チームのこれから
これからチームとして取り組むのは、セキュリティ意識や堅牢性を高めていくのを目標として定めています。
今後、iAEON IDをイオングループ外にも展開していくための機能開発を予定しており、その際にセキュアな環境を構築するためのIDの難読化と、PPIDというサービスごとに異なる接頭辞を付与して別のIDとして扱う仕組みを導入していきます。こちらは、2026年2月頃までのローンチを目指しています。
チームで大事にしている価値観や行動指針
一人ひとりのメンバーがパフォーマンスを最大限発揮できるよう「心理的安全性」を最も大切にしています。
メンバーのみなさんには、自分がやっていることにプライドを持ち、専門性をさらに磨き、事業成長に貢献できるエンジニアとして成長してもらえたらと考えています。
また、「シンプルイズベスト」も大切にして欲しいことのひとつです。一見難しく感じることも、意外と簡単に解決できることがあります。必要以上に考え込むと、プログラムもどんどん複雑化し、メンテナンス性が下がったり、無駄なコストが発生してしまいます。 そのため、コーディングや設計においては極力シンプルに考えるように意識しています。
会員基盤開発ユニットの働き方

遠方勤務:可能ですが、会社イベント等で本社出社することもあるので通える範囲がおすすめ
リモート勤務:基本リモート。上記のような会社イベントで本社出社するぐらいでそれ以外はほぼリモート勤務です。
出社頻度:必要に応じて数ヶ月に一回程度。チームとして出社日を設けてはいません。
就業時間:フルフレックス制度。コアタイムはありませんが、毎朝のHuddleには参加いただいています。
ソーシャル:チャットベースやTeams会議での闊達なコミュニケーション。あとはたまにメンバー同士で募って飲み行ったりしてます。※シニアマネージャーがお酒が苦手なので半強制的な飲み会はありません。
会員基盤開発ユニットの開発文化

品質管理:案件ごとに設計レビューの実施、テストコード必須、コードレビューの実施、UAT、脆弱性診断、性能負荷試験を行っています。
また、チーム内にQA専属担当を置いています。QA専属担当を中心に全員が品質向上に取り組みます。
DevOps:CI/CD、IaC、コンテナ管理、オブザーバビリティ監視、PagerDuty
利用ユーザー向け:iAEON ID利用、ID統合やSSO機能実装に必要な標準機能ドキュメントの整備、標準機能ドキュメントのWEB化予定、会員基盤利用のための申請書の提供(今後WEBシステム化予定)
学習・社外アウトプット:実環境を使ったOJT、1on1での質疑応答、テックリードやSREとの協業。AEON TECH HUBへの寄稿も可。
使用ツール・技術スタック

日々の情報共有はTeams、SlackやConfluence、チケット管理はJiraを使用しています。
会議体は水曜日以外、毎朝ハドルMTGを実施していて、基本的には何か相談事項や連絡事項、報告事項があれば共有し、議論を行っています。あとは火曜日に開発の相談ができる開発会議、金曜日に進捗の報告を行うチーム全体のミーティングを設置しています。
リモート環境下でコミュニケーションを取る際は、テキストだけのやり取りだと、どうしても冷たく感じられたり、機械的な印象になってしまうことがあります。
そこで、チャットツールで連絡する際にはスタンプを活用して柔らかさを加えたり、言葉遣いにも注意して、きつい表現にならないよう心がけています。ほんの些細なことですが、そうした配慮を大切にしています。
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